山仙プール式炭化平炉 呉開所式

インタビュー

2021年7月4日、呉市広にこのたび新たに作られた山仙プール式炭化平炉の開所式に参加してきました。
場所は広から国道375号線を北に向かっていった山の中で、位置的には広と郷原の中間あたりになります。

開所式は午前11時スタート、こいわし広島のメンバー四名は車二台で、それぞれ開始30前に到着しました。

会場には山仙プール式炭化平炉の開発者である㈲山本粉炭工業の山本明男社長もお見えになっていました。

山仙プール式炭化平炉 山本明男社長呉開所式 

開所式は予定時刻を少し過ぎてスタート、新しい窯のオーナーである橋本農園、合同会社イシウチの橋本倫彰(みちあき)代表と山本明男社長、お二人が挨拶をされました。

山仙プール式炭化平炉 呉開所式 山仙プール式炭化平炉 呉開所式

開所式に続いては、作業所のすぐ上にある窯を見学させていただきました。
ここは窯の底の部分が大切な特許部分ということで、写真は撮ったもののここに載せることはできません。
大まかな外形のみご覧ください。

山仙プール式炭化平炉

四角いプール型の窯に高い煙突、この底に空気が煙となって循環するノウハウがあります。
今はまだ稼働前で屋根がありませんが、実際に窯に火入れをする前には屋根を取り付けられるとのことです。

その後は楽しい昼食会、ものすごいご馳走をたくさん振る舞っていただきました。
炭火焼きの牛ステーキ、鯛、大きな海老の入ったちらし寿司、おはぎ、・・・缶ビールも、・・・食べるのに夢中であまり写真を撮っていませんが。 (;^_^A

昼食会 昼食会

昼食の合間に橋本代表にコーヒー豆を栽培するハウスを紹介していただきました。
ここでニシナ屋珈琲と提携して、オーガニックコーヒーを栽培されます。

ハウスはまだフレームだけの建設途中です。

コーヒー豆栽培ハウス

これは建築がご専門の橋本代表が自ら作られたもので、専門の業者に頼むよりも格安でできるとのことです。

コーヒー豆栽培ハウス

この下には谷間に向かって段々畑が広がり、そこにも同じようなハウスをたくさん作っていく計画だと夢を語ってくださいました。

そして最後はこいわし広島の石井直美が橋本倫彰代表にインタビューさせていただきましたので、その模様をご覧ください。

<インタビュー概要>

これからハウスでオーガニックコーヒーを栽培し、その土壌改良材として炭を利用し、炭化炉の温熱もハウスに活かす計画です。

広の町の山間を活性化させることで災害時に町を守ることになり、街おこしにもつながるので、この地で事業を展開しようと思い立ちました。

山仙プール式炭化平炉は、通常の炭窯の40~50倍の量の炭が生産でき、しかも人手がかかりません。

炭の原料は、切った木、竹、生木、雑草、建築廃材以外の草木はすべて原料となります。

まだ確定ではありませんが、呉市が街路樹や公園を清掃したときに出る切った枝等の植物が年間トラックで四千台あり、その全部か一部を炭の原料として入手する計画が進んでいます。
現在それらはすべて焼却処分されています。

山仙プール式炭化平炉は生産量が極めて多いので、いかに原料を確保できるかが大きな課題であり、その原料確保の目処が立ちつつある状態です。

できた炭は農業用の土壌改良材に使います。
具体的には、ニシナ屋珈琲、瀬戸内農場と一緒にコーヒー栽培をするので、その農場で使います。
また熱帯植物であるコーヒーのハウス暖房用にも炭を使います。

通常ビニールハウスの暖房にはA重油(70~80円/ℓ)を使い、燃料代が年間百万円ほどかかりますが、炭を使うとコストが半額以下になるだろうと計算しています。

土壌改良材としての炭は、一反(1000㎡)の土地に2~3トン使います。
その量で販売価格5、6万円です。

これまで原料確保で最も苦労し、その解決には何年もかかりました。

炭を土壌改良材として使えば肥料を使う量が激減し、農家の収益が増え、農業活性化につながります。

お好み焼きの材料に適したキャベツの広甘藍(ひろかんらん)、ネギなどの農作物も炭を活かして作っていきたいです。

山仙プール式炭化平炉

新しい窯は山本粉炭工業にある窯とほぼ一緒の大きさで、長さ7.2m、幅4.8m、深さが1.6mあり、40~50㎥入ります。

原料は機械(重機)か人力で上から入れていきます。

常に満タンで稼働させる必要はありませんが、最低原料30㎥は必要だと思います。

現在は呉市に窯の状態を見てもらうために屋根は付けていませんが、8月末を目処に屋根を取り付け、それ以降本格稼働の予定です。

焼却温度は1000~1500度ぐらいです。

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