こいわしマガジン 2023年11月①号

植物図鑑作家、林将之さんの木の見方・森の見方　観察と生態系の座学
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植物図鑑作家、林将之さんの木の見方・森の見方　観察と生態系の座学

岡浩美　どれみちゃん♪

　１０月２２日㈰　広島市青少年野外活動センターで開催しました。

　開催にあたって林先生には、、、
草好きな私は、目の前の草のことは少しわかります。でもなぜそこに生えているのか、その背景がわからない。森がどうなっているのか、生態系がどうなっているのか、ちっともわかってないので、「木を見て森を見ず」ではなく、森全体がわかるようなマクロ的は話をしてほしい…とお願いしました。ちょうど、「日本熊森協会の広島支部をつくろう！」という動きもありましたし。
　
　当日の参加者は、こどもも入れて２０名弱。みなさんとても熱心。

　コブシの種の香りを嗅ぎ、うっとり。ケヤキの種の運ばれ方に、なるほど！と頷く。
モミノキのモミボックリは、外側は取れて真ん中だけが地面に落ちる…。

　モミボックリの真ん中の軸一本でさえも、全て設計されたかのように、規則的に配列されていて、神秘さと美しさに感動しました。

　途中、アオダイショウが動いたかと思うと、林先生はすぐに捕まえてみんなに触らせてくれ、肛門(総排泄口)の場所を教えてくれました。全身の抜け殻もみんなで分けてお財布に。私が、「屋久島で木の上から蛇が落ちてきてびっくりしたことがあるよ。」と話すと、なぜ木の上にいたのか、ハブだったのか、一つ一つに理由があることを教えてくれました。沖縄に９年住んでいた林先生の実体験から学ばせてもらうことも多かったです。

　座学では、国内１０年間で動物の被害で亡くなった人の人数のグラフ。サメで亡くなった人は一人もいないのに駆除され、ウミガメが増え、植物がなくなった。熊と同じだけ犬の被害で亡くなった人がいる。熊をびっくりさせることで、熊が向かってくる。熊が生きられない森にしてしまったのは人間。人間が「危害を加えられるに違いない。被害が出る前に…」と、思い込みで、熊が殺されてしまう。かつて狼を絶滅させてその結果、今の森がどうなっているか。

　人間の恐れ、思い込み、何を守りたいのか、気に入らないものは排除すればいいという傲慢さ…。動物たちへの申し訳なさで心がいっぱいになり、これからの子どもたちへ残したい自然についても考える機会になりました。