こいわしマガジン 2024年1月②号

こいわしマガジン

目次

平和公園にカンナの花壇
パンデミック条約は協定だった!国会議員は蚊帳の外か?
イベント情報
  ・第4回大人の社会學 外資に席巻される農業危機
  ・みんなでつくる中国山地コラボ企画「山と海をつなぐ」

平和公園にカンナの花壇

カンナ・プロジェクトひろしま
                     吉住公美

カンナ・プロジェクトの活動が始まって、今年で20年になります。
そんな年に、原爆ドームの南、元安川東側を少し下った“ヒロシマの碑”や“ガンジー像”のある広場に、カンナの花壇を作ることになりました。とても、うれしいことです。

ここまでの経緯をたどってみたいと思います。
2004年、東京在住の橘凛保さんが、原爆資料館の旧展示の“焦土に咲いたカンナ”の写真を見られて感銘をうけられ、活動が始まりました。
原爆投下後、1か月あまりで、爆心地から約800mのところに咲いたカンナの事実を、広島の人たちも知らないので、橘凛保さんは、これは伝えなければ、と思われたのです。
まず、カンナの花を知らない子どもたちに知ってもらうために、学校で子どもたちと一緒にカンナの球根を植えて、平和学習をされました。
そんな中で、段原小学校の6年生から、「オリンピックにカンナを繋げたい。」という意見が出ました。オリンピックに咲かせるなら、学校の球根だけでは足りないので、2017年、わたしたち大人も、子どもたちが育てた球根を分けてもらい、育てることになりました。
こうして、一つの株を分けて、手から手へ、平和を願って渡していく、カンナリレーが始まりました。
カンナリレーで繋がったひとりの方から、家の前の広島市のボランティア花壇にカンナを植えたいとの希望があり、市から許可を得ました。元安川東側、住吉神社を少し下った吉島ボランティア花壇です。
その活動も3年たった去年の夏、広島市から、元安川東側にカンナの花壇を作ってもいいというお話をいただきました。願ってもないことです。こうして、広島市から土地の使用許可をいただき、公園再生事業として、3年間で15万円の資材提供をしていただくことになりました。
こうしたご縁が繋がって、今回のカンナの花壇が実現することになりました。
感謝の気持ちでいっぱいです。

これからの予定ですが、2月3日には、知り合いの庭師さんにボランティアで、2m×4mのブロックの囲いを作ってもらいます。その後、赤玉土と腐葉土、そして、汚泥土を入れます。汚泥土というのは、下水道処理場でたまったものを浄化して肥料にしたものです。やはり、カンナリレーをされている方の知り合いで、汚泥土のボランティアをされている方からの提供です。
その後、カンナリレーで繋がった皆様で育てたカンナの球根の一部を持ちよって、カンナの花壇に植え付けたいと思います。
そして、夏には、真っ赤に咲いたカンナの前で、原爆で亡くなられた方の慰霊と世界の平和を祈念して、式典を行いたいと思っています。
追って、詳細が決まりましたらお知らせしますので、ご都合の良いタイミングで、ご参加いただければ、うれしく思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。

※ 平和公園のカンナの花壇は、この電源装置の後ろ側です。

パンデミック条約は協定だった!国会議員は蚊帳の外か?

 WHOが今年5月の年次総会(WHA)で採択を目指している、パンデミック条約制定と国際保健規則(IHR)の大幅改正が問題となっています。これまで両案は、前者が政府間交渉会議(INB)、後者はIHR改正非公式会合で討議されて来ましたが、これが全て非公開の上、案が刻々変更されているというのです。
 締約各国がそれらへの賛否を審議するにしても、成案が提示されないと、労力が無駄になる訳です。
 実は、現行IHR第55条(修正)第2項では、「事務局長は保健総会(WHA)の四箇月前までに全参加国に伝達する」と記載されています。そのリミットが1月27日となり、それが既に迫っているのです(寄稿時は1月25日)。

 そこで超党派WCH議員連盟(仮称)が第3回会議を、1月25日に開催。所管の外務省と厚労省官僚を呼んで、疑問点をぶつけ合いました。


第3回超党派WCH議員連盟会合=2024.1.25

 先ず外務省が、現時点でWHOから日本政府に対し、成案が提示されていないと報告。その根拠に関しては、「WHO憲章やWHA規程により、成案を総会ぎりぎりまで交渉を継続できると解釈している」と極めて曖昧な回答に終始しました。
 それを受け、及川幸久アドバイザーが、自身の調査結果を披露。昨年10月に開催された第5回IHR作業部会の報告書を読むと、「成案は、1月には間に合わない。その後5月までにまとまったものを提示する」と記載。先般1月22日のWHO理事会では、テドロス事務局長が、「パンデミック条約案、IHR改正案共に結論に至っていない。これでは来るべくパンデミックには間に合わない」と困窮及していたと報告しました。いずれにしても、これは明白なIHR第55条違反であると指摘しました。
 WHOは自らのルールを無視して、各国に精査する時間を与えないまま、強行採決に持ち込もうとしているのは明白です。
 加えて原口一博共同代表(立憲)は、「2022年5月28日、WHAでのパンデミック条約案やIHR第59条改正案の採決の際、後者は採択されたが、その結果に係る証拠について、WHOは一切示せていない」と、海外在住の我那覇真子氏の苦言を代弁しました。それに対し厚労省は、「WHO理事会議事録に掲載されているはず」と回答したものの、原口代表は、「それでは回答になっていない」と一蹴しました。
 また、第1回議連で彼は、「パンデミック条約は『条約』なのか否か?」と質問し、ゼロ回答だった経緯があります。それで今朝の自身が開設するYouTubeチャンネルにおいて、「原文では『trety(条約)』という単語が使用されておらず、『agreement(協定』)が使用されていると指摘しました。
 これと同様の質問が、深田萌絵氏からこの度議連会合で出されました。それに対し外務省は「このことも含めて、まだ何も決まっていない」と答弁したのには驚かされました。
 原文を訳せば「パンデミック協定」になるのは明白であり、これを外務省は敢えて「パンデミック条約」と意図的に訳すことで、国民を欺いて来たと言われても仕方ないでしょう。実は外務省は戦後、直訳すれば「連合国」となるのを、敢えて「国際連合」と和訳し、これが世界平和を目指すものと国民に刷り込んで来た経歴があるのです。
 もし「パンデミック条約」が、より正しい和訳として「パンデミック協定」だとすれば、武見敬三厚労省が来たる5月に賛成に回るのは確実なので、IHR同様、国会批准は不要となり、国会議員で審査することは一切ないことになります。つまり、国民の意思が全く反映されないのです。
 深田萌絵氏は続けて、「IHRと憲法はどちらが上位なのか?」と詰問。これに外務省が回答できず、両省官僚は次の日程があるとの理由で退散したのです。
 最後に原口代表は、各国がWHOに提出した意見書について、9月30日に提出した日本だけがサイトから内容を見ることができない理由を尋ねました。厚労省はまたもや回答できず、疑問が更に深まった格好です。
 
 一方日本政府は、パンデミック条約、IHR改正は賛成在りきで推進。岸田首相による2023年1月の世界的医学雑誌「ランセット」寄稿文で、WHOの公衆衛生上の健康施策を強化することを述べています。国民的議論を無視した強引な手法はLGBT法制定で明らかになったように、非常に危険です。
 しかも、前回第2回議連において、国際的な公衆衛生上の緊急事態、いわゆる医学パンデミックの定義や、これを誰がどのような基準で認定するのかとの質問が出されていました。これにも厚労省は、「定義は確定してない」と驚くべき答弁をした経緯があります。つまり、事務局長独断で発出できることが疑われているのです。
 翌1月26日に招集される国会に、政府が非常時における国から地方に指示を出せる地方自治法改正案と相まって、これらに歯止めをかける議連に成長して欲しいものです。
 
2024年1月25日

前呉市議会議員 谷本誠一

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  ・第四回大人の社会学 外資に席巻される農業危機
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第4回大人の社会學 外資に席巻される農業危機

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